Power Platform のライセンスについて考えてみたことについてのメモ書きです。
Microsoft Power Apps Advent Calendar 2022 1日目!
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Microsoft 365 で利用できるライセンス
Microsoft 365 のライセンスには、Power Apps / Power Automate for Microsoft 365 ( Power Apps / Power Automate for Office 365 と表記されている場合もある)というライセンスが含まれています。
Microsoft 365 管理センターでユーザーの「ライセンスとアプリ」の項目にを確認すると表示されます。
※ 管理センターだと for Office 365 の表記、ドキュメントだと for Microsoft 365 なので、まぁよくある表記揺れ。
※Power Virtual Agents for Office 365 は Dataverse for Teams でつかえるPower Virtual Agents のライセンス。
Microsoft 365 のライセンスで利用できる機能
基本的に利用できるのはこの3つ。
- キャンバスアプリ
- クラウドフロー
- スタンダードコネクタ
この他、2020年の夏ごろに Dataflex という名前で登場し、いろいろあってすぐ名称変更した Dataverse for Teams という機能があります。これは、 Teams の中での利用に限られるが、有償版のライセンスの一部機能が利用できます。
Microsoft 365 のライセンスで利用できる機能たち
※グレーアウトしている機能は使えません。
Power Platform 要求 の制限
それから、大事なのが Power Platform 要求の制限というのがプランごとに決まっています。
Microsoft 365 のライセンスだと、24時間ごとに6,000要求の制限になっています。
プラン名 | 過去の要求数 | 新しい要求数 |
---|---|---|
Microsoft 365 | 2,000 | 6,000 |
Power Apps per app plan | 1,000 | 6,000 |
Power Apps per user plan | 5,000 | 40,000 |
Power Automate per user plan | 5,000 | 40,000 |
Power Automate per user with attended RPA plan | 5,000 | 40,000 |
Power Automate per flow plan | 15,000 | 250,000 |
Power Platform 要求は、Power Apps からデータソースへの問い合わせだったり、Power Automate の変数の初期化やHTTPアクションなどなど、様々なタイミングで発生します。
Dataverse も Power Platform の1つのサービスなので、CRUD(作成、読み取り、更新、削除)などでも Power Platform 要求が発生するのも重要なポイント。
Power Platform 要求が発生するサービス
参考: 要求の制限と割り当て - Power Platform | Microsoft Learn
Power Platform 要求は各サービスの合算となるので、Microsoft 365 のライセンスの場合、Power AppsやPower Automate、Dataverse for Teams などの利用の合計で 6,000要求となります。
機能制限版とは言え、Dataverse for Teams に含まれる Dataverse の利用にも Power Platform 要求が発生する。そのため、Power Apps や Power Automate での利用に加えて Power Platform 要求が増える傾向にあります。
Power Platform 要求は現在、制限の移行期間というので、若干制限があまい。制限が甘いので引っかかったことがある人のほうが小数派なのかもしれません。
この他にも、Power Platform 要求はアプリやフローの構成でも左右されるので、ある程度慣れてきたらこのあたりの最適化というのにチャレンジしてみると面白いと思います。 Power Automate は フローごとに確認できるので、普段動作しているフローがどのくらいの要求をだしているのか見ることができます。
Microsoft 365 で利用できる Power Platform のコンセプト
Microsoft 365 で利用できる Power Platform のコンセプトは、公式のドキュメントやライセンスガイドにあるように「Microsoft 365 の拡張やカスタマイズ」なんだと思います。
Microsoft 365 の拡張やカスタマイズというところから要件が外れてくる、もしくは外れていると、Microsoft 365 のライセンスの範囲で実現するのが結構難しくなっていきます。
Microsoft Power Platform ライセンスの概要 - Power Platform | Microsoft Learn
Microsoft 365 用 Power Apps/Power Automate
Microsoft 365 用 Power Apps/Power Automate 機能により、ユーザーは、Power Apps および Power Automate で Office エクスペリエンスを拡張およびカスタマイズできます。 ユーザーは Microsoft 365 データに基づいてアプリケーションやフローを作成できます。 これらの生産性のアプリは、Box.com、Facebook などの共通サービスに標準コネクタを使用して接続することにより、 Microsoft 365 の外部でデータを使用できます。
https://go.microsoft.com/fwlink/?LinkId=2085130&clcid=0x411
Power Platform ライセンスガイド 2022年11月版より抜粋
市民開発って
市民開発者はプロ開発と違って、頭を悩ませて仕様の隙間やコードを考えるんじゃなく、ユーザー情報が欲しいから Azure AD に接続して情報を取得してきたり、メールを送りたいからExchange Onlineと繋いで送信したりと、今、使っているサービスをうまくつなげて開発していくのが市民開発じゃないかなぁと僕は思います。
アプリ化したい、自動化したいの前に、使いたいサービスや今使っているサービスをよく知ることも市民開発のポイント。
データソースとなるサービスを知るのが大事
Microsoft 365 のライセンスだと、Microsoft 365 の各種サービスに接続できるスタンダード コネクタが利用できます。
例えば、スタンダードコネクタでは、SharePoint リストが使えるのでデータソースに選択する人は多い気がします。自分もよく利用します。
SharePoint は チームや部署、プロジェクトなどのコラボレーションツール。
SharePoint リストも同様コラボレーションを目的とした機能実装になっています。
これを無視したアプリやフロー開発は難しくなります。
もし、SharePoint リストをデータソースにしたいのであれば、まずはいったん SharePoint リストのみで運用してみると良いです。 SharePoint リストで運用してみて、何も支障がないのであれば、いちいちアプリ化せずに SharePoint リスト で運用しても問題はありません。
また、「SharePoint リストのここが使いにくい」や「この機能があったらもっと便利なんだよな」と思う点があれば、そこをアプリ化や自動化するカスタマイズをPower Apps や Power Automate で発すると小規模で始められるので無理なく開発できます。
データソースとなるサービスを知らずに、ただ漠然と「業務をアプリ化したい。使えるデータソースはSharePoint リストだから、SharePoint リストを使ってアプリにします」ではじめると結構な確率でとん挫するような気がしています。
市民開発の第一歩はアプリ作成や自動化じゃなく、データソースにしたいサービスを使って知るところからはじめるとスムーズで、開発も少なくて済むかなぁと思います。
将来的には有償ライセンス
Power Apps や Power Automate を使っていこうと思ったら、将来的には有償ライセンスを導入するということを頭の片隅において進めるのがおススメ。
今すぐ購入じゃなくていいので、まずは、Microsoft 365 で最初は初めてもらって、少しずつレベルを上げていって使い倒してください。
使い倒したころには、フローや使い込まれたアプリも増え、複雑な処理をさせたりしているだろうから、Microsoft 365 の Power Platform 要求数では不足気味。その時は有償ライセンスの導入タイミングだと思います。
また、Microsoft 365 だけで業務は回っているわけではなく、他のシステムやサービスの情報を利用しアプリやフローを作成したい要望もあると思うので、その場合も有償ライセンスの導入タイミング だと思います。
「有償ライセンスはけしからん」と思って進めるとなかなか本来実現したかった業務改善ががつらくなるので、「有償ライセンスは将来的に必要。」と思って進めたほうが素敵な未来が待っています。(たぶん)
さいごに
なんだか取り留めのない文章をただただ綴ってしまい、申し訳ない気持ちでいっぱいな内容ですが、「スタンドアロンライセンスと呼ばれるPower Platform の有償ライセンスはいいぞ」ってことです。
でも、ライセンスって奥が深くて難しいですね。
それでは、よい Power Platform ライフを!