ふらりのメモ書き

Microsoft 365 , Power Platform らへん

【Power Apps】Dataverse の開発者環境を作成できるようになったぽい話

Dataverse の開発者環境が自由に作成できるようになったらしいので検証してみました。
公式のドキュメントが Blog と Youtube の動画以外一切ないので、今後変わる可能性があります。また、「開発者( Developer )環境」という名称なので、本番運用はダメだと思いますのでその点にもご注意ください。

公開情報はこちら

「Making Dataverse available for all makers 」というタイトルの Blog と Youtube 動画が公開されました。
powerapps.microsoft.com

www.youtube.com

動画の会話をピックアップしてみました。(内容の正しさは保証できません。)

  • 作成者ごとに3つの開発者環境を作成できるようになった。
  • Power Apps Maker Portal、Power Platform 管理センター から作成できる。
  • この環境を取得するために追加のPremiumライセンスは不要で追加コストなし。
  • 環境のコピー、リストア、バックアップ、復元の機能が利用できる。
  • この環境ではPremiumコネクタが利用できる。
  • 複数のアプリケーションを作成できる。
  • 他のユーザーとアプリを共有できる。
  • この環境で他の人を招待して、アプリケーションを作成してもらうことができる。
  • 仮想テーブル、計算フィールド、数式列などDataverseの機能を利用できる。
  • 容量制限は2GB。この2GBはテナント全体の容量から差し引かれない。
  • この環境はユーザーごとの個人的なスペースでテスト開発をできる。(既定の環境でテストするなんで怖いよね。)
  • 開発環境で開発後、サンドボックス環境や本番環境に移行し実運用に移行できる。
  • 開発環境を残したままにしたい場合は、コピー機能でコピーしサンドボックスに移行などができる。
  • Power Platform 管理センターのテナント設定の中から「開発者環境の設定を無効化する」ことでユーザーに勝手に作成されるのを防ぐことができる。
  • 90日間非アクティブな場合は警告が通知され、それから90日後に自動削除されるので実際利用されていない環境の管理は不要。

検証

普段使っているMicrosoft 365 Business Premium の環境でも作成できることは確認できたのですが、試しに試用版を取得してライセンスや何かの設定の影響が少ない状態で検証してみました。(試用版ライセンスは有償ライセンスと同じ動作ができないことがありますのでご注意ください。)
今回は、Microsoft 365 Business Basic の試用版を取得しています。

通常のアプリ作成画面から環境の作成

Power Apps Maker Portal とBlogに記載があったので、通常のアプリ作成画面からも作成できるようなのですが、この機能はまだ実装されていないようで、現時点では確認はできませんでした。

動画を見る限りだと、環境名の部分をクリックすると環境作成のメニューが出てきそうな感じなんですが、通常通りの環境選択メニューでした。
※ 最初にキャプチャー忘れたので、検証後のキャプチャーです。

Power Platform 管理センター から環境の作成 (グローバル管理者編)

Microsoft 365 テナントのグローバル管理者で検証します。
Power Platform 管理センター から 「環境」を選択し、「+新規」をクリックします。

環境の名前、地域、環境の種類を設定します。
環境の種類 は 「開発者」を選択してください。

「保存」をクリックして保存します。

3つまで作成できるとのことなので、3つまで作成してみました。

Power Platform 管理センター から環境の作成 (一般ユーザー編)

管理者権限のない一般ユーザーも Power Platform 管理センターから環境を作成できます。

手順はグローバル管理者と同様です。
Power Platform 管理センター から 「環境」を選択し、「+新規」をクリックします。

はい、作成できました。

管理者ですでに3つ作成していますが、一般ユーザーでも3つ開発者環境が作成できました。

4つ目の開発環境は作成できるのか?

3つまでと言われると4つ目試したくなりますよね。

4つ目を作成してみます。

「ユーザーの開発者環の数が上限(3)に達しました。」とエラーが出て作成できません。

開発者環境はユーザーごとに3つ作成できる。

テナントのDataverse 容量を消費せず、ユーザーごとに開発や環境が3つ作成できるのは便利ですね。

開発者環境を作成させないようにするには

会社によっては、勝手に開発者環境が作成されると都合が悪い場合もあります。
開発者環境を作成させないようする設定してみます。

Power Platform 管理センター から 「設定>開発者環境の割り当て」から「特定の管理者のみ」に設定すると開発者環境が一般ユーザーで作成できなくなります。

試しに一般ユーザーで環境を作成してみます。
作成しようとするとエラーになり、作成できません。

開発環境のバックアップ、復元、コピー、リセット

動画にもありましたが、開発環境をバックアップ、復元、コピー、リセット することができます。
いろいろ設定して、初期化したいなぁということがしばしばあったのですが、リセット機能があるのはいいですね。

さいごに

今回の開発環境がユーザーごとに作成できる機能いいですね!
Power Apps のスタンドアロンライセンスを追加購入する前にいろいろ試せて、勉強できる、しかもテナントの容量を消費しないのがステキです。

既存のPower Apps Developer Plan はどうなるのかや詳細なドキュメントがまだ公開されていないので今後の追加情報が気になりますね。

【SharePoint】PowerShell で 接続する


昨年末に検証していた SharePointPowerShell で接続するメモ書きです。

PowerShell での接続設定の確認

公式のドキュメントに記載のある方法で確認していきます。

learn.microsoft.com

SharePoint Online Management Shell のインストール

インストールコマンドのコピー

PowerShell ギャラリーにアクセスします。
www.powershellgallery.com

Microsoft.Online.SharePoint.PowerShell の Install Options > Install Module のコマンドのコピーボタンをクリックします。

Install-Module -Name Microsoft.Online.SharePoint.PowerShell  

管理者権限で PowerShell 起動とコマンドの実行

スタートメニューより、「PowerShell」と検索し、「Windows PowerShell」 を 「管理者として実行する」 を選択し管理者権限で実行します。
※キャプチャーはWindows 11 Pro 22H2 の画面です。

先ほどコピーしたコマンドを貼り付けて実行します。
'PSGallery'からモジュールをインストールしますか? は 「Y」と入力し、エンターキーを入力します。

SharePoint Online Management Shell のインストール は 以上で完了です。

インストールバージョンの確認

ドキュメントに記載のあるコマンドですが、下記を実行するとインストールバージョンが確認できます。

Get-Module -Name Microsoft.Online.SharePoint.PowerShell -ListAvailable | Select Name,Version

SharePoint に接続する

MFA(多要素認証)が有効な場合の接続の場合です。
contoso 部分を自身のテナントの設定に変更して実行します。

Connect-SPOService -Url https://contoso-admin.sharepoint.com

URLの部分は SharePoint 管理センターにアクセスしたときのURLと同じになります。

PowerShell で コマンドを実行します。
認証が求められたら認証してください。

接続の確認

SharePoint 全体の設定を確認してみます。

Get-SPOTenant

実行すると、SharePoint の設定値が確認できます。

接続の切断

使い終わったら、接続は切りましょう。

Disconnect-SPOService

learn.microsoft.com

関連コマンド

アップデート

SharePoint Online Management Shell を指定してアップデート。

Update-Module -Name Microsoft.Online.SharePoint.PowerShell

他のモジュールもまとめてアップデートすることも可能。

Update-Module

Power Apps のモジュールが更新されました。

Update-Module の詳しい使い方はこちら。
learn.microsoft.com

インストールされているモジュールの確認

Get-InstalledModule で 現在インストールされているモジュールが確認できます。

Get-InstalledModule

learn.microsoft.com

モジュールのアンインストール

もうこのPCでは設定しないのであれば、モジュールを削除することもできます。

Uninstall-Module -Name Microsoft.Online.SharePoint.PowerShell  

learn.microsoft.com

さいごに

PowerShell で操作できないと設定できない項目があるので、これでやっと操作できるようになりました。
さて、共有リンクの設定変更してみようかしら。

それでは、よい SharePoint ライフを!

【Power Platform】Microsoft Dataverse for Teams の話 (環境編)


1年前に書いた Microsoft Dataverse for Teams の資料の補足を書いてみた話です。
今回は環境についてのメモ書きです。

Microsoft Power Automate Advent Calendar 2022 カレンダー3 18日目!
qiita.com

1年前に書いた資料

とてもありがたいことに、現時点で60.2Kビュー閲覧頂いているのがこちらの資料。
公開した当時よるも、最近伸びているので Microsoft Dataverse for Teams の利用か検討が増えてきているのかもしれませんね。
www.docswell.com

環境について

作成できる環境数

作成できる環境数はよく聞かれます。

作成できる環境数は、Dataverse for Teams が利用できる Microsoft 365 ライセンスを1個もっていると5つの環境が利用でき、20ライセンスごとに1個追加で環境を作成できると公式ドキュメントに記載があります。


引用 : Microsoft Dataverse for Teams について - Power Platform | Microsoft Learn

Dataverse for Teams の場合、Teams のチームと環境が紐づきます。

この環境での Power Platform 要求数は別途付与や独立しているわけではなく、保有のライセンスで提供されている Power Platform 要求数の制限に含まれる点には注意が必要です。

flali.hatenablog.com

flali.hatenablog.com

環境の作成

Teams のチームが100個あると自動的に100個の環境が作成されるわけではなく、明示的な環境作成の操作が必要です。
環境の作成は Teams から行います。

引用 : Power Platform のライセンスに関する FAQ - Power Platform | Microsoft Learn

こちらに手順の記載があります。
learn.microsoft.com

Power Apps アプリの追加

まずは、Teams に Power Apps アプリを追加します。(この操作は1回実施すればOKです。)
Teams の左メニューのアプリ> 検索バーで Power Apps と検索し、「Power Apps」アプリをクリックします。

「追加」をクリックし追加します。

環境の新規作成

先ほど追加した、Power Apps アプリをクリックします。
ビルド > 作成 をクリックします。

アプリの作成と表示されますが、環境を作成したいTeams のチームを選択します。
作成 をクリックすると環境の作成を開始します。

「準備しています」は閉じてしまって問題ありませんので閉じます。
環境の作成に少し時間がかかります。

Teams で通知が来るのですが、この時点ですぐ見えてくるわけではないので、作成した環境が見えなくても、しばらくすると表示されますので待ちましょう。

はい、表示されました。
「Power Apps を使用する準備ができました」とありますが、Dataverse for Teams で利用する Power Apps や Power Automate はここから作成できます。

過剰に作成できてしまった環境に注意

ライセンス数によって作成できる環境に制限があるはずなのだが、どうも過剰に環境が作成できてしまう...
できるから使った良いではないので、適正な利用数の範囲で利用するように運用では注意が必要ですね。

ライセンス数だと6環境が制限だけど、8環境作成できてしまっていたテナントのキャプチャー。どういう動作になるんだろう...
Dataverse for Teams が使える有償ライセンスがあると、組織の制限の容量と環境数が増えるようです。

非アクティブな環境が自動削除される

ちょっと前(2022年10月)に始まったと思ったら、あまりに突然で一時停止していた、非アクティブなDataverse for Teams 環境の自動削除が先日(2022年12月5日)より再開。

jpdynamicscrm.github.io

learn.microsoft.com

即削除ではなく、ユーザー活動のない状況の通知、環境の停止、削除警告、削除とちゃんとフェーズを踏んでから削除されるのでそんなに慌ててる内容ではないですが、通知のメールが英語なのとチーム管理者(所有者)不在のチームなどは気付きにくい可能性があるので注意が必要ですね。

あと7日で環境を無効化しますよ通知はこんな感じでした。
7日経過すると無効化し、30日後に環境が削除されます。

製品条項にも書いてありますね。2022年12月版


www.microsoft.com

さいごに

まだ、書きたいことがガガガガ...なんですが、時間がないので今回はここまで。 Dataverse が無償で使えるというわけではなく、かなり機能制限されているので、制限をよく理解して使うのが大事な気がしています。
また、Dataverse for Teams は本来制限されているはずのことができてしまうことがしばしばあるので注意が必要ですね。

【Power BI】Power Platform 要求数とやらのレポートを作成してみた話


Power Platform 要求数のレポートが確認しにくかったので、Power BI でレポート作成してみました。

本日2個目の Blog 投稿です。(初かな?)

Microsoft Power BI Advent Calendar 2022 11日目! qiita.com

Power Platform 要求のレポート見るのが大変

CSVでリストが取得できるだけなので、確認がたいへんです。
今回はこれをPower BI でレポートにしようと思います。
【Power Platform】Power Platform 要求使用状況の情報を表示する(プレビュー)の話 - ふらりのメモ書き

データの取得

今回利用するデータはこんな感じで取得します。
Power Platform 要求数のレポートが自動でとれないので、手動で取得します。(ここが自動的に取得できると楽なんだけどなぁ)
SharePoint リストの保存したデータを Power BI の Power Query で取得します。

データの取得方法は、こちらの Blog が参考になります。

Power Platform 要求 レポートの取得
flali.hatenablog.com

Azure AD ユーザー情報の取得
flali.hatenablog.com

スタースキーマ

スタースキーマを意識してリレーションを作成してみます。

learn.microsoft.com

今回、フィルターそんなにしないので簡単なものになりました。
DAX で カレンダーテーブルを追加しています。
SharePoint ドキュメントからのデータの取得やカレンダーテーブルの作成方法などは、調べているといっぱいでてくるので自分のやりやすい方法を探してみてください。(説明が面倒だったわけでは...)

レポートできた!

データが確認しやすいかは置いておいて、ドラック&ドロップでレポートが簡単にできました。 運用しながら、手を加えて使いやすい形にしていこうと思います。

レポート作成して思ったのが、Dataverse へのアクセスがあると結構Power Platform要求が発生しているところが気になりました。
この環境はMicrosoft 365 プランで、Dataverse for Teams を利用している環境です。
この日は、確か500レコードくらい削除した記憶があります。

Power Platform 要求数の多い Dataverse

Power Platform の各サービスの利用には、Power Platform 要求というのが発生します。(Power BI は別かな)
Dataverse for Teams の Dataverse の利用でも CRUD (作成、読み取り、更新、削除) などが発生すると Power Platform 要求が発生します。

Power Platform 要求が発生する主なサービス

参考: 要求の制限と割り当て - Power Platform | Microsoft Learn

今回のレポートを作成した環境では、Microsoft 365 ライセンスの制限の6,000要求を超えた日は1日でしたが、他のテナントでも検証したところ、Dataverse for Teams で テーブルを作成したり、アプリやフローから Dataverse へのアクセスが多くなると結構な頻度で Microsoft 365 のライセンスの制限値を超過していました。

現在は、恐らく制限の移行期間なので、顕著に問題となることは少ない可能性がありますが、今後注意が必要そうですね。(レポートにするとよくわかる。)

さいごに

もうちょっと、全自動でレポート更新まで作成しようと思ったのですが、Power Platform 管理センターで四苦八苦してたら時間も足りず、レポート作成したところまでとなってしまいました。
今後、運用しながら良い方法を探したり、レポートの修正していこうと思います。
ローコードはまずは作成してみて、運用しながら修正や機能追加していけるのが良いですね。

【Power Platform】Power Platform 要求使用状況の情報を表示する(プレビュー)の話


Power Platform 要求使用状況の情報を表示する(プレビュー)機能を試してみた話です。

Microsoft Power Automate Advent Calendar 2022 11日目!
qiita.com

Power Platform 要求数とは?

昔はAPIリクエスト数と呼ばれており、今はPower Platform要求と呼ばれています。

learn.microsoft.com

Power Platform 要求数については過去のblogに記載したので、リンクを貼ります。

Power Automate のフロー単位で確認する方法
flali.hatenablog.com

ライセンスについて記載した記事
flali.hatenablog.com

テナント全体のPower Platform 要求数の確認機能がプレビュー

プレビュー機能ですが、テナント全体の Power Platform 要求使用状況が確認できるようになりました。

要求の制限と割り当て - Power Platform | Microsoft Learn

プレビュー機能でうまく動作していない部分があるようなので、注意が必要です。

確認手順

Power Platform 管理センター > リソース > 容量 のページの下方にある「レポートのダウンロード」をクリックします。

+新規 をクリックし、Microsoft Power Platform 要求 を選択します。

スコープを選択します。今回は「ライセンス ユーザー」を選択して、送信。

レポートの生成に少し時間がかかります。状態が「進行中」の場合は、時間をおいて「最新のステータスに更新」をクリックしてステータスが更新されるか確認します。

状態が「完了」になったら、レポートを選択し、ダウンロードをクリックして、ダウンロードします。
CSV ファイルでダウンロードできるので、開いて文字化けするような場合は、テキストエディターなどで開いて文字コード変更してみてください。

レポートの確認

Excelなどので開いた時のレポートです。
わかりやすいように、2行目にドキュメントに記載のある日本語名を入れてみました。
資格の数量がライセンスごとに設定されている Power Platform 要求数を合算した上限値なのですが、Microsoft 365 ライセンスの24時間ごとの6,000要求とずれているのは謎です。

ちなみに、レポートのCaller ID は Azure AD ユーザーのオブジェクトIDに該当します。

現在は移行期間中

公式のドキュメントを見ると「移行期間中」という文字をよく見かけますが、どうやら移行期間中のようでPower Platform の要求の制限は緩いようです。

Power Automate ライセンスの種類 - Power Platform | Microsoft Learn

Power Platform 要求のレポートがいつ正式リリースになるのかは、不明ですが、このレポートが正式リリースになってから6か月後には厳密な制限になりそうですね。

要求の制限と割り当て - Power Platform | Microsoft Learn

誰でもダウンロードできちゃう

ちなみにこのレポート管理者じゃなくてもダウンロードができます。
全環境のレポートが誰でもダウンロードできるのもどうなんだろうと思うのですが、プレビューなので今後の変更があるかもしれませんね。

さいごに

Power Platform で アプリやフローなどの開発に慣れてくると、どんなロジックにするか、コネクタの制限にひっかからないか、サービス側の制限はなどに気を付けて設計しているケースはあると思います。 現在、移行期間中らしく制限が緩いので、今後、このPower Platform 要求数も考慮する必要はありそうですね。

【Power Automate】divで小数がほしい時の話


ちょっと前に途中まで書いてて、下書きに入ったままになっていたので、公開。 クラウドフローのdiv関数の話。

Microsoft Power Automate Advent Calendar 2022 4日目(カレンダー3)
qiita.com

div関数とは

div は算術関数の1つで除算(割り算)ができます。

docs.microsoft.com

例えば、 div(10,5) の結果は 10 ÷ 5 = 2 となります。

div(10,5)

演算結果が小数になる場合

では、下記のような除算の場合、一般的な算数であれば 10 ÷ 3 =3.33333... となるはずです。

div(10,3)

sしかし、実行してみると、結果は 3 になります。
第一パラメーター、第二パラメーターのどちらも整数を引数とすると、小数を無視して数値が返ってきます。

実行前

実行後

結果が小数でほしい場合は、1つ目のパラメーターか2つ目のパラメーターどちらかに、引数として小数を含んだ数値を設定します。
例えば、今回の場合、3 ではなく、3.0 とすればOKです。

div(10,3.0)

実行前

実行後

さいごに

計算結果が小数になるはずだからでロジックを組もうと思ったら、「あれ、思った結果と違う」となってハマっていました。
integer や float などの型大事ですね。 小数になる場合、どうしても精度の問題があるので取り扱う際は注意が必要ですね。

learn.microsoft.com

【Microsoft 365 】Azure AD の動的グループが便利だなぁと思った話


Azure AD Premium の 動的グループが便利だったのでメモ書きです。
あっ、Azure AD ってしれっと書いちゃったけど、Microsoft Entra の Azure Active Directory ですね!

Microsoft 365 Advent Calendar 2022 3日目!
adventar.org

動的セキュリティグループとは?

Azure AD Premium P1 以上の機能で、ユーザーの属性情報で条件を設定することで条件に合ったユーザーをセキュリティグループに追加できる機能です。
例えば、部門(department)が営業部のユーザーを自動的に営業部のセキュリティグループに自動追加するような運用ができます。

また、Microsoft 365 グループを動的グループに設定することもできます。Microsoft 365 グループで動的グループを作成すると、部門が営業部のユーザーは Teams の営業部のチームに自動追加するような運用も可能になります。

ライセンス要件

動的グループのに追加されたユーザー数分、Azure AD P1 以上のライセンスが必要です。

learn.microsoft.com

ゲストユーザーのライセンス要件

ゲストユーザーを動的グループに追加するにも、ライセンス要件を満たす必要があります。
社内の Azure AD Premium P1 を付与したユーザー1名に対し、 ゲストユーザー5名まで Azure AD Premium の機能を利用させることができます。

最近では、Azure AD External Identities の課金モデルが提供されています。Azure サブスクリプションが必要で、一定量以上は課金対象になりますが、月間50,000 アクティブ ユーザーまで無料で Azue AD Premium の機能をゲストユーザーに適用することができます。

なお、Azure AD External Identities の課金モデルでは、テナントに割り当てられているAzure AD Premium サブスクリプションの最も高い価格レベルに基づいて決まるそうです。
Azure AD Premium P1 と Azure AD Premium P2 の両方がテナントにある場合、Azure AD Premium P2 の価格と機能が Azure AD External Identities の課金モデルで提供されます。

learn.microsoft.com

動的セキュリティグループの作り方

公式ドキュメントに記載のある、「"すべてのユーザー" ルールを作成する」を設定してみます。

(user.objectId -ne null) -and (user.userType -eq "Member")

参考: 動的に設定されるグループ メンバーシップのルール - Azure AD - Microsoft Entra | Microsoft Learn

作成手順

それでは作成してみましょう。

手順はこちらに記載があります。
動的グループを作成または編集し、状態を取得する - Azure AD - Microsoft Entra | Microsoft Learn


Azure Active Directory 管理センター
にアクセスします。 Azure Active Directory > グループ を選択します。

すべてのグループ > 新しいグループ を選択して、グループを新規作成します。

グループ名はわかりやすいように設定してください。私はよくセキュリティグループは SGMicrosoft 365 グループは MS で作成しています。
グループの種類 : セキュリティ 、メンバーシップの種類 : 動的ユーザー を選択し「動的クエリの追加」をクリックします。

条件をGUIで設定していくこともできますが、今回は規則の構文の編集をクリックします。

規則の構文の入力欄に、公式のドキュメントにある 「ゲストを除いたすべてのユーザー」の条件を貼り付けます。
貼り付けたら、OK をクリックします。

(user.objectId -ne null) -and (user.userType -eq "Member")

参考: 動的に設定されるグループ メンバーシップのルール - Azure AD - Microsoft Entra | Microsoft Learn

保存 クリックして、保存します。
これで、動的グループの作成ができました。
少し、時間をおくと条件にあったユーザーが作成したグループに追加されます。

作成したグループの確認

先ほど作成した動的セキュリティグループを確認しましょう。

Azure Active Directory 管理センター から すべてのグループを開き、先ほど作成したグループをクリックします。

メンバーをクリックすると、ユーザーが確認できます。
先ほど設定したルールだと、ゲストは除外したのでユーザータイプがメンバーのみが追加されています。しかし、ユーザーだけじゃなく、共有メールボックスや会議室などのリソースも追加されていますね。
Azure AD では、共有メールボックスやリソースメールボックスもメンバーとして取り扱われているようです。

社員だけ取得したい!

ユーザーのcompanyName や department などの属性情報を編集して、それを条件に社員だけを取得する方法はあります。

部署属性が Sales のユーザーを対象にする場合

user.department -eq "Sales"  

参考: 動的に設定されるグループ メンバーシップのルール - Azure AD - Microsoft Entra | Microsoft Learn

ドキュメントを見ていたら、特定のライセンス付与の構文がありました。
これをなんとか、ライセンスを指定せず、ライセンス付与しているという条件で取得できれば、ライセンス付与済みのユーザーを社員として取得できそうな気がします。

user.assignedPlans -any (assignedPlan.servicePlanId -eq "efb87545-963c-4e0d-99df-69c6916d9eb0" -and assignedPlan.capabilityStatus -eq "Enabled")  


参考: 動的に設定されるグループ メンバーシップのルール - Azure AD - Microsoft Entra | Microsoft Learn

ライセンス付与済みを条件に設定する

assignedPlan.servicePlanId が ライセンスを指定しているようなので、その部分を除外するとこんな感じになります。
assignedPlan.capabilityStatus がライセンスの付与状態を指しているようですね。

user.assignedPlans -any (assignedPlan.capabilityStatus -eq "Enabled")  

そして、先ほどのすべてのユーザーと合体させてみます!
さて、これでいけるのか...

(user.objectId -ne null) -and (user.userType -eq "Member") and (user.assignedPlans -any (assignedPlan.capabilityStatus -eq "Enabled"))

動的グループの条件変更

先ほど作成したグループを開き、動的メンバーシップ ルール をクリックします。
規則の構文の編集をクリックし、先ほどの構文を貼り付けて 保存 すれば完了です。

ライセンスを付与していない共有メールボックスや会議室が除外できました!

さいごに

動的グループを様々な条件で作成しておけば、各サービスでアクセス権を設定するときに便利です。
以前、ゲストユーザーがとても多いテナントを管理しているときは、ゲストユーザーのメールドメインを動的グループの条件に設定して管理していたこともあります。

また、テナント内の全ユーザーのグループを1個作成しておくと、Power Apps や Power Automate で社員マスターが欲しい時に役立ちます。

しかし、今回の最後の条件だと、共有メールボックスにライセンスを付与している場合や、Teams Rooms などがある場合はそれも対象に入ってしまうと思いますのでご注意ください。
その場合は条件の工夫なのか属性情報をメンテナンスするなどする必要がありますね。

それでは、良い Microsoft 365 ライフを!